花が咲き、穏やかな風がその香りを国に届けている。巨大な森があったり、海があったりする訳では無いが、国の中央付近には湖が存在する。
その湖のほとりには数多の花が咲き乱れており、ここに存在しない花は無いと言われるほど多くの種類の花が咲くが、国の許可無しに花を摘むことは罪にあたる。
湖の近く、国の中央には白い壁に青い屋根の城があり、お城を見ることの出来る湖のほとりは国の人々の間では人気のスポットとなっている。この国に訪れた際には、城と同じ色をした統一感のある美しい街並みに驚き、湖の美しさに目を奪われることだろう。
この国の王はレグルスと呼ばれ、女王はスピカと呼ばれる。
海にさざめく波の音色、少しペタつく風が吹き、油断すれば焼かれてしまいそうな強い日差しが照りつける。
この国の海は美しく、書物に巨大な宝石のようであるとすら称されており、海産物も種類が多く大変美味であるという。もちろん、勝手に海産物を取ったりすることは罪にあたる。
城は海の上に存在し、壁も屋根も全てが白く、宝石のように美しい青い海と合わさることでより一層全てが美しく見える。許可を得れば誰でも城の敷地内から釣りをすることが可能である為、国の人々はもちろん、旅行者など記念に釣りをする事が多い。
この国の王はアルタイル、女王はベガと呼ばれる。
葉が紅く染まり、少し冷たい風が肌を撫でる。この国は山々が多く、そこに生える木々の葉は大変美しい。
海もあり、そこで釣れる秋刀魚と呼ばれる魚が大変美味であるという。他には、木々から落ちた葉を集め、中で芋を焼くヤキイモなる食べ物もあるのだが、煙が上がるためか、国外からの旅行者には火事と勘違いされやすい。
城は山々と海を結ぶちょうど中間に位置し、何処へ行くにもまず最初に寄るべき場所とされる。この国の城を含む建物の外観は赤レンガに黒い屋根であり赤く染った木々と上手くマッチしている。
この国の王はフォーマルハウト、女王はアンドロメダと呼ばれる。
雪が降り積もり、凍ってしまいそうな程冷たい国。少し高度の高いこの国は山も無く、海も無い。美しい花々が咲くわけでもなくただただ白い。だが、何も無いのかととわれれば、そういう訳では無い。夜に空を彩る星々が一番美しく見ることの出来る国である。まるで手で掴めてしまいそうだと錯覚するほどこの国は星を美しく見ることが出来る。
城は黒やグレーをベースとしており、白い雪と対になっている。城は高く、塔のような部分があり、そこは普段は王や女王、星の使役者や守護者にのみ使用が許可された天文台だという。この国の生誕を祝う日は、抽選で僅かな人数ではあるが、その天文台に訪れることが可能であるらしい。
この国の王はシリウス、女王はカペラと呼ばれる。
各国では星の使役者が政治に介入することは少なく、王や女王に仕える形をとっている。
王や女王は、使役する星の力の内容に関わらず星の使役者達の支援や主に一般人からの投票によって決定される。
使役する星の力は強力でなくとも、知恵や知識、人を魅了するカリスマ性に優れている男女1人づつを民間人から選ぶ事により、星の使役者の独裁政治を回避しているらしい。
王や女王は、本来の名前とは別に星の名前が与えられ、本来の名前は親族や親しい者のみが知ることを許される。
王や女王の不在時には、星の使役者が国の指揮を執ることとなる。
ここでは、誰もが大なり小なり星の力を扱うことが出来るとされるが黄道十二星座の星の力を扱うもの達は星の使役者と呼ばれる。
その起源は古き時代まで遡り、星空戦争と呼ばれる戦争が集結し新しき時代へと移り変わる時に、力を使い果たし消えそうであった星々の神が地上の者に力を預けたことが起源とされている。
星の使役者達は他のものより強大な力を扱う事が出来るため、星の守護者と呼ばれる監視役が常に傍に居る。
一般的には親から子へと受け継がれるが、生前に星の使役者が後継者を選ぶ事も可能である。後継者もおらず、一族が滅んだ際には新しく生を受ける者に力が授けられる。
本来の名前とは別に、使役する星座の英語名で呼ばれ、本来の名前は守護者、王や女王、親族のみが知ることができる。
ストレスや力を使役しすぎると、暴走と呼ばれる状態へと移行し見境なく全てを破壊しようとする。
古き時代に神に命令され、星の力を扱うもの達、星の使役者の監視役を務め、担当する星の使役者と行動を共にする伝説の生物。ファフニール、リントヴルムなどのドラゴン。カーバンクル、フェンリルなどの幻獣。ゴルゴーンやセイレーンなどの魔物と称される生き物であることも。普段は本来の姿では無く、人型をしているとされ、我々の生活に溶け込んでいる。
強大な力を持ち、長寿であるため古き時代から現役で星の守護者を務める者もいる。
星の使役者よりも格上の力を持つとされるが、その真価を発揮するのは星の使役者が窮地に陥った時か暴走する時である。
星の使役者が暴走した場合、回復する見込みが無ければその命を終わらせる役目を持つ。
12星座を使役する者は、自身の騎士団を持っている。
人数はその騎士団によりバラバラではあるが、どの騎士団も団員の質が高い。
半ば信仰の対象として見られる12星座の使役者、その12星座の名を持つ騎士団に入ることは国民の憧れである。
騎士団の団員は所属する12星座のサインの腕章を着ける決まりがある。
12星座の名を持つ騎士団に入るには、強さは勿論のこと、日々の生活においての態度や礼節などあらゆるものが求められる。
そのため、12星座の騎士団で団長や副団長になることは大変名誉なことである。
古き時代、地上の者がまだ星の力を持たなかった頃の話。かつては13星座と呼ばれ、そのうちの一つとして数えられていたへびつかい座の神が他の星座の神々を喰らおうとした話。これに関し記された書物は少なく、存在したとしても御伽噺の域を出ないが、流れとしては自身の扱いを不当だとしたへびつかい座が他の星座の神々を喰らうことで、星々の覇者となろうとしたこと。他の星座の神々が力を合わせ、へびつかい座の神を討ち取ったことが記されている。この戦争が終結する際に、激しい戦いで力の弱まった星の神々が眠りにつくために地上の者に力を与えたことから、四国の者は星の力が使えるという。
いつ、何処からか、誰が言い始めたかも分からない、他の星々の使役者を喰らえばこの世界を思うがままにできる。という声。その声に踊らされ、星の使役者達は誰が世界を支配しようとしている、と疑い世界を支配されることを恐れ、他国に攻撃を仕掛けた。しかし、攻撃を受けたその国は、何故攻撃されているのかもわからず、他国が攻め入って来たとして戦闘となった。そしてそこから争いの火種は各地へと散らばり、踊らされているとも知らずに、今も争い続けている。
この戦争が終わる日は来るのだろうか。
かつては13星座と呼ばれ、そのうちの一つとして数えられていたへびつかい座とそれを信仰する者達の集い。
世界を支配するべく、第二次星空戦争の火種を撒いている。
他国を戦争へと誘ったのは他ならぬへびつかい座である。
へびつかい座は星空戦争において、討たれたとおもわれていたが力が中途半端に弱まったが故に見つけることが出来ず、命を奪うまでに至らなかった。
へびつかい座は地上の者に力を預けることは無かった、星座の中で唯一神が力を保持している。
普段は旅人に偽装していたり、四国の何処かに住んでいたりするが、へびつかい座からの召集があった時には、拠点へと赴く。
拠点はへびつかい座を信仰する者達のみ存在を知っており、その場所へ行くには特定の手段を踏まなければならない。
※設定は―――に投稿すること。